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処分の軽重

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キャンプ地宮崎県延岡市における一部選手の不祥事について記者会見を行いました(OHP)

「ベガルタ若手4選手の不祥事」に関して、未だにいろんな意見があります。
  ・処分が軽い
  ・解雇しろ
  ・出場停止5試合以上が普通だろ
  ・今年一年出場停止だな
などなど。。。

実際、起こした事と処分の関係について、自分なりに知っている事を踏まえて考えてみたいと思う。

まずは事実関係の確認から。

事件に関する経緯は、実際に見聞きしたわけではなく、ほとんどがネット上の「新聞記事」や「プログの書き込み」から知りえた情報しかないのだが、そこで得た情報から時系列に列挙してみたいと思う。



 1. 選手会主催の「食事会」を開催。スタッフは参加していない(らしい)。
 2. 場所を替えてアルコールが入る。
 3. 金子選手が酔って具合が悪くなり、店の外で吐く。
 4. 細川選手、一柳選手、富田選手が介抱に向かう。
 5. 介抱に向かった3人が、金子選手を近くに停車してあった「軽ワゴン車」の屋根に担ぎ上げる。
 6. 5.の行為によって、「軽ワゴン車」の屋根が凹む等の損傷を与える。
 7. その状況を他の選手が確認し、「軽ワゴン車」の持ち主を探し出し謝罪。
 8. 「軽ワゴン車」の持ち主が「監督を呼ぶ」事を要求。
 9. マネージャ(って誰?)から報告を受けた手倉森監督が「軽ワゴン車」の持ち主に謝罪し、損傷を与えた部分については全面的に修理し、その費用を支払う事を提案。
10. 「軽ワゴン車」の持ち主がそれを了承。「警察沙汰にするつもりがなかった」ので、示談(修理代金 30万円を支払う)が成立。


  と ↑ココまでが選手(特に4人の若手選手)の責任


  ↓ ココからがベガルタとして「手倉森監督」「丹治強化部長」「名川社長」の責任



11. 示談となった為、大事にせず穏便に済ませようとした(ように感じられる)為、監督からチームスタッフ、社長などへの報告を怠る。
12. 丹治強化部長が延岡入りし、「事件」についての報告を受ける。が、社長への報告なし。
13. 2チャンネルに「事件」についての書き込み
14. マスコミから手倉森監督に、「ネット上での書き込み」の件について質問。
15. マスコミからの質問を受け、名川社長に報告
16. 断片的情報から名川社長がJリーグに報告。帰仙し、状況確認の上「若手4選手」の処分を発表。


という感じでしょうか。


さて、順序だてて考えてみましょう。

1~2 に関しては、それまで「外出禁止」になっていて、翌日が初めてのオフという状況なので、このような形で選手の交流を図るのは良くある事。特別に問題は無い。

3~4 に関しては、お酒を飲める年齢の選手の中で金子選手は一番若い(20歳)。その為このような会合の場合には一番酒を勧められ、尚且つ一番酒に慣れていないはず。まじめにサッカーをやっていたのなら当然そうなるはずですよね。
そのような酒に慣れていない選手が酔って具合が悪くなるのは良くある事。どちらかと言えば周りの年長者がもう少し気を配れば良かったと言えなくも無いが、許容範囲でしょ。三選手が介抱に向かうのも年齢から考えればある意味当然の事。

5~6 に関してが今回の一番の問題行動。やっちゃいけなかったよね。
でも、これって「繁華街を泥酔しながら練り歩き、飲み屋の看板を蹴っ飛ばして壊してしまった」のと同程度(この辺りは人によっていろんな捉え方があるでしょうけど)の事。
プロサッカー選手だから問題になっているけど、σ(^^;)も若かりし頃は・・・(自粛)

その後の 7~10 までの対応は、比較的正しい対応だったと思う。被害を及ぼした相手(被害者)への素早い対応については、良かったと言ってもいいんじゃないかな。起こしてしまった問題自体は褒められたもんじゃないけどね。

さて、ここまでは選手たちが問題を起こした事についての対応方法は特に問題ないでしょ。そして、(いろんな捉え方があるにしても)起こしてしまった問題への対応は間違っていなかった。後は潔く公表し謝っていれば済む程度のものだったように感じられる。

問題はそれ以降の対応。
11~12 については、まったく危機管理が出来ていない「手倉森監督」と「丹治強化部長」の問題が大きい。
本来、問題が起きた場合にはすぐにトップに報告し、速やかに公表しなければならない。それが出来ないばかりに問題が大きくなって取り返しがつかなくなってしまった企業が多い事を理解していない。

13~15 についても最悪の対応方法。リスクマネジメントが全然出来ていない。

16 はちゃんと状況を確認できていないのに、公表が遅れたからという事で急ぎ過ぎ。仕方が無い部分もありますけどね。もう少し状況を把握してからの処分の方が良かったかも。


さて、以上を踏まえた上で自分なりの結論。
今回の処分は選手が「年俸 × 1/12 × 20% × 3ヶ月(+ 修理代金)」、「手倉森監督」「丹治強化部長」「名川社長」が一律「50万円」の制裁金。

選手たちに制裁金を課されるのは仕方が無い。
ただ、「一柳選手が10万円×3ヶ月程度となり、他の選手はそれより少し少ない」と言われているその金額は、起こした問題に比べ大きすぎないかという気がする。
言ってしまえば、酔っていたとは言えただの「物損事故」。逃げたわけでもないし、被害者への謝罪も速やかに行っている。「プロスポーツ選手なんだから」という意見もあるでしょうが、普通のサラリーマンであっても仕事をして収入を得ている限りは「プロ」であるのに違いは無い。そりゃ、一般人と比べれば露出も多いし期待している人も多いのに違いは無いけど、どうなんだろうね。
「キャンプ中に泥酔するなんて信じられない」「今年一年出場させるな」と言っている人もいるけど、そこまでする程のものでもないでしょ。そういう意見の人は、自分の行いと比較してみたらどうでしょうか。σ(^^;)は自分の行いと比べたらあまりに重過ぎる処分だと思うけど。

さて、本当は非難されなくてはならないのは「手倉森監督」と「丹治強化部長」。
危機管理がまったく出来ていない二人は、管理者・監督者として「解雇」されても仕方が無い。
また、二人がどれほどの年俸を貰っているのか分からないけど、制裁金「50万円」は余りにも軽いんじゃないだろうか。「年俸の10~20%」くらいの制裁金であっても多くは無いと思う。
残念だけど、そういう問題だったんじゃないかと思う。
選手の対応は悪くなかった。壊してしまった事は悪いけどね。
その後の監督や強化部長の対応は最悪だった。選手に非難が集中しているのも彼らのせいと言ってもいい。


問題を起こしてしまった人を非難するのは容易い。
しかし、物事の本質とは目に付きやすいところだけとは言えない。
最近、世の中全体が弱いところ、何も言えない状態の人をみんなで叩く風潮が強まっている。
もっと大きな目で見たら、違う問題点が見えてくるんじゃないのかなぁ。

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コメント(2)

:

いい人ぶるのも容易い。

あれだけ何か起きた時の対応で印象が一変する例を見せ付けられている中での、あまりにショボい、隠蔽する気満々の対応。しまいには2ちゃんねるに暴かれるというみっともなさ。

まあ「この程度のチームなら結果、上がって来れない」という現実が一番ファンとサポーターにはペナルティだろうけど。

ちなみに。そこら辺の人とプロサッカー選手が同列な訳はないと思う。

かっちゃん Author Profile Page:

コメントありがとうございます。
お名前いただけるとありがたかったのですが。。。

仰られる通り、チームの対応はみっともない。最悪です。
「この程度のチームなら結果、上がって来れない」というのも反論は出来ない事実ですね。
だから、チームを批判するのは否定しないし、個人的には「監督の解任」という処分を下していても仕方が無い事だと思う。

でも、今行われているのは「選手の処分」についての議論だけ。やった事はいけないけれど、やった事に対する十分な処分はなされていると思う。
どこかに書き込みがあったけど、正直今年活躍できなければ「シーズン後に契約更新されない選手候補から、確実に契約更新されない選手」という位置づけになった。それだけのペナルティは今後掛かってくるのは間違いない。

だから、「もう選手の事を批判するんじゃなく、チームの批判のほうがいいんじゃないのか」という趣旨だったわけです。

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このページは、かっちゃんが2008年2月15日 19:57に書いたブログ記事です。

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